いけないと分かっていても

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 ふと、無防備に眠るオリーブを見上げる。少し前に頬にキスをした。あんまり優しいから、衝動的にしてしまった。嫌われると思ったのに、全然だ。それどころか「俺は態度を変える気はない」とか言われて。 「あんまり無防備だと、襲うぞって言ったのにこれだもん」  自分の節操の無さはわりと自覚している。男も女も誘われればいくらでも。しかも立ち位置までその時々。複数なんてのもあった。 「案外、綺麗な肌してるんだよな」  そっと頬に手を伸ばしてみる。それでもオリーブは起きる気配がない。どれだけ気を許しているんだか。 「ふふっ、綺麗だよな」  頬にある刺青に触れる。植物を模したその刺青を、ランバートは気に入っていた。似合っていると思うし、魅力的だ。  こうして触れていると、徐々におかしな気持ちにもなってくる。妙にドキドキとして、体が火照る。酒のせいなのは十分に承知しているけれど、それでもだ。  少しだけなら、いいかな?  ふと人恋しさも募って、また締まるように胸の奥が苦しくなる。縋るように体を伸ばして、触れるだけのキスをしてみた。 「うわ、意外と柔らかい」  触れただけの感触に驚いてしまう。そして、妙に興奮しているのも分かった。そして、もう少しとオリーブの上に陣取り、今度はしっかりと唇を重ねた。 「んっ…」     
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