いけないと分かっていても

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 拒絶されるのが嫌で、それなら落とし込もうと決めた。切なくて泣いてしまいそうで、誤魔化すように欲しくてたまらない。  たくし上げた状態で尚も胸に触れる。撫でているうちに尖り出した部分を指でコリコリと摘まめば、大きく体が逃げを見せる。でも幸い、このベッドは狭い。逃げる場所なんてない。  抵抗を防ぐように尚も深く口づける。口内も敏感なのか、丁寧に探れば抵抗もなく自ら絡めてくる。近くに見る瞳が潤んでゆくのは、気持ちが良いからだと思いたい。 「いい顔。オリーブも気持ちいいんだ」 「いや、でもっ」 「俺も気持ちいい。凄く興奮もしてる。切なくて、苦しいよ。オリーブ、俺の事受け止めてくれるって言ったじゃん」  言えばオリーブは驚いた顔をして、次には真っ赤になって黙った。  こういう部分を攻めるのは、いけないとは思う。いくら必死でも、だまし討ちみたいになってしまう。それでも抑えられない時はどうしたらいい? 側に優しい温もりがあるのに、一人で虚しくなんてやってられない。  ふと、手が伸びてきた。その手が頬に触れるから、驚いて見てしまう。真っ直ぐな目はとても真剣だった。 「確かに、言ったよな」 「…うん」 「苦しい時は頼っていい。それに…嫌悪はないみたいだ」     
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