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いつの間にか自然とできるようになったその行為。
それは、邦道が当たり前のように自然とそうしてくれるからかもしれない。
一緒にお風呂に入って、一緒にご飯を食べて、一緒に寝る。
お互い仕事が忙しく、それができる時間は減ったけれど、心までは少しも減らない。
そう感じる時、愛永はふと一茂の言葉を思い出す。
---心から愛した人と一緒になりなさい。私が母さんと一緒になったように……。
「ん? どうした?」
愛永は一緒にお風呂を入り、濡れた髪を?き上げる邦道を見詰め涙する。
「ううん、なんでもない。大好き」
「なんだよ、突然。まぁ、可愛いから良いけど」
そう言って、邦道は嬉しそうに笑ってくれた。その笑みに釣られ、愛永もふふっと笑ってしまう。
(ほんと……だーい好き)
この幸せをもう手放す事はできないだろう。
例え、どんなに強力なライバルが現れたとしても絶対に渡さない。
邦道だけは……君だけは、駄目。
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