19.[番外編 リ、リアリィ?~really?~]知人の愛

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ドラマティイイイック。 睨み合う美しい2匹の猛獣。 その姿はまるで龍と虎。 って、龍はケモノじゃないか。 ルビイさんと手を握り合い、 この展開にワクワクしていると タンバたんが続けて言った。 「確かに成道さんはタダの組員だ。 …中田組ではな」 「だからそう言ってるだろ? クドイなお前」 ケンカ腰の物言いをするRENに、 タンバたんは地を這うような 低い声で応酬する。 「…そう、『中田組』ではな。 なあ、西日本で一番大きい組は どこだっけ?」 「そんなの誠仁会に決まってる」 「そう、正解。 石橋組も中田組もそれに比べれば末端だ。 誠仁会が代々、世襲を続けているのは 周知の事実だよな?」 「ああ、現会長の後継者は一人息子の 実篤さんのはずだが」 ここでタンバたんはニヤリと笑う。 「残念ながら実篤さんはまだ17歳。 彼は一人息子なんかじゃなかった。 元々3人兄弟だったが、 跡目争いで上2人が殺されたんだ」 「そ、それは俺も知ってるよ」 「じゃあコレは? 会長には愛人に産ませた子供が5人いる。 残念ながら全員女だったんだけどな。 その娘たちも既に成人し、結婚した。 これも何故かことごとく女しか 生まなかったんだよ。 …ただ一人『真由美』という娘を除いて。 その真由美が、中田組長の現夫人だ。 彼女が生んだのは成道さん1人だけ」
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