第1話 夢見る5歳児の作文

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「もうっ!魔法使いだなんて何考えてんのよ...なれるわけない じゃない」 夢花の母・玲子は、娘のお弁当箱をゴシゴシと擦りながら溜息 をついた。 「まぁまぁいいじゃねぇか。な、夢花は魔法使いになりたいん だよなぁ!!」 ガハハハッと豪快な笑いを漏らすのは、夢花の父・翔吾だ。 「んー?なにがおかしいのー」 両親に自身の夢をバカにされていることを感じとった夢花は、 ぷうっと片頬を膨らませる。 (ママもパパも、ゆめかのことぜんっぜんしんじてくれてない!) ホントになれるんだもん。魔法使い。 バカにしないでよ! 「ママもパパもきらい!ゆめかのこと、しんじてくれないんだっ」 夢花は瞳に涙を溜めて両親をキッ、と睨みつけ、部屋を飛び出し た。 「ちょっと!夢花待ちなさ……」 バタン!と扉が勢いよく閉まる。 玲子は肩をすくめた。 「ホント、あの子は……」
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