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夢花の夢は、ホンモノなのだ。
なれるわけないと、そんなもの非現実的だと、笑ってしまえば
それで終わりだ。
でも遥は知っていた。
夢花は、ちゃんと夢を叶えたいと思っている。本気で。
(きっとなれるよ。ゆめかちゃんなら、魔法使いにだって...)
遥はしゃくりあげる夢花に、優しく言葉をかける。
「ぼく、しんじてるよ!ゆめかちゃんのユメ」
「えっ?それ、ほんとう?」
「うん!だってきっとかなえられるよ、ゆめかちゃんなら」
「はる……くん」
だからね、と遥は言葉を続けた。
「もうなかないで。ぼくがゆめかちゃんのみかたになるから」
幼い少年は、幼い少女にそう約束した。
それを聞いて、幼い少女は微笑んだ。
そして、小さく呟いた。
「ありがとう。ゆめかも、ずぅっとはるくんのみかただよ」
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