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「リアム! お帰りなさい」
村に入ると、ミスティ村の宿屋の娘、シェリルが駆け寄ってきた。
リアムがひとりで出かけたのを知り、門の内側で待っていたのだ。
「ただいま」
リアムは金色の髪をポニーテールにしたひとつ年下の幼なじみに言った。
シェリルも魔族と人間の混血だった。
母親の手によって宿屋の前に捨てられ、シェリルを引き取った宿屋一家はその村を追い出され、ミスティ村まで流れてきた。
シェリルが5歳の時に村に住み着き、それから10年ずっとミスティ村で暮らしていた。
「またひとりで魔王の城に行ったんでしょ? もう、あれほどわたしを誘いなさいって言ってるのに」
シェリルはすぐにモンクを言った。
村には子供が少なく、年が近いリアムとシェリルはいつも一緒に遊んでいた。この日もリアムと一緒に行くつもりで、モンスター退治に適した格好をしていた。
「ひとりで行けるし」
「わたしを誘えばお姉ちゃんたちがついてくるから?」
「そういうわけじゃないよ」
けれど、それが大きな理由でもあった。
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