3 ミスティ村の宿屋の娘たち

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「取れないかしら?」  ミランダはそう言って、光の入り具合でキラキラと七色に輝く宝石をミシェルの額から取ろうとした。 「あら……」  指に引っかかるところがなかった。 「しっかりとついているわね」  リアムとシェリルは長女のすることをじっと見ている。  すると、ミランダはシェリルの方を見た。 「何? お姉ちゃん」  その眼光の鋭さに、シェリルは身構える。 「ブレンダのところに行って、『ペティナイフを持ってきて』って言ってきてくれる」  真面目な顔で、ミランダは言った。  ブレンダは三姉妹の次女で、ミランダの双子の妹だった。  今の時間は台所で夕飯のしたくをしている。 「何しようとしてるんだよ」  行こうとしていたシェリルの手をリアムがつかみ、止めさせた。 「だって、可哀想じゃない? こんな小さな子の額に、こんな石が入り込んでいるのよ」  優しいミランダは、悲しそうな顔で言った。 「やっぱりブレンダお姉ちゃんに、ナイフ持ってきてもらう」  シェリルは真剣な顔でそう言って、台所に行こうとした。 「待てよ」  リアムはシェリルの手をしっかりと握って離さない。 「取り出した石、どうするつもりだ?」  リアムはミランダに言う。 「有効利用、させてもらうわ」  優しい姉は、優しい微笑みを浮かべて言った。
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