4 その日の夕食

2/5
前へ
/25ページ
次へ
「はい、ミシェルちゃん。熱いからふーふーして食べましょうね」  ミランダはそう言って、スプーンですくったシチューをミシェルの前に出した。 「ふーふー」  言われた通り、目の前のシチューに息を吹きかける。 「これでいいの?」  上目づかいで、一生懸命な顔でミランダに聞く幼い子供は、この世のものとは思えないほど愛らしかった。 「上手ね。ゆっくり落ちついて食べましょうね」  ミランダに言われ、ミシェルは落ちついてゆっくりとスプーンを口に入れる。  ミランダはシチューが口に入ったのを見ると、そっとスプーンを引っ張りだす。  そしてミシェルは幸せそうな顔でシチューを味わう。 「美味しい」  嬉しそうに目を輝かせてミシェルは言った。 「よかったわね」  そう言われて、ミシェルはニコニコと笑った。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加