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「アレ、倒せる?」
慣れた感じで子供をあやしている長女を見て、シェリルは聞いた。
「……どうやって?」
迷惑そうにリアムは言う。
「いつもモンスター倒してるみたいに」
「お前、できんの?」
「無理に決まってるじゃない」
「じゃ、聞くなよ」
「ごめん」
そして、二人はボソボソとシチューを食べた。
「ブレンダお姉ちゃん。今日のシチューとっても美味しいよ」
自分の分のシチューをよそって、ミランダと反対側のミシェルの隣に座ったブレンダに言う。
「あら、ほんと? よかったわ」
ブレンダはニコニコと答える。
長女よりもキビキビしているが、笑顔はほとんど変わらない。
「うん。今日のシチューは一段とうまいよ」
ほとんど食べ終わったリアムがそう言って、おかわりを要求するように、空の皿をブレンダの方に出す。ブレンダは嫌な顔ひとつせずに席を立つ。
「ミランダがどこからか美味しいキノコを取ってきてくれたのよ」
「……大丈夫なのか?」
神妙な顔でリアムは聞いた。
「さぁ?」
それを聞いて、リアムは皿を引っ込めようとした。
「遠慮しなくていいわよ」
ブレンダはニコニコと皿を取り上げ、山もりにして戻ってくると、リアムに渡した。
「残さないでね」
長女と同じ笑顔で、次女は笑った。
「……ありがとう」
疲れた顔でリアムは受け取った。
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