4 その日の夕食

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 食後のデザートはりんごのコンポートが出てきた。  それとミルクティ。  それを食べながら、ミシェルから話を聞いた。 「ボクね、ホントは、もっとちゃんと強い魔王だったんだ」  ミシェルは真面目な顔でそう言った。  リアムと三姉妹は、何も言わなかったが(そんなのウソだ)と思った。 「ホントだよ……」  それを感じ取ったのか、ミシェルは言った。 「今は、人間になる薬を飲んだから、魔法とか使えなくなっちゃってるけど……」 「なんでそんな薬を飲んだんだ?」 「テレンスに言われたんだよ」  その名前を聞いて、三姉妹は普通の顔をしていたが、リアムだけが眉をしかめた。 「お父様もおじい様も、ふたりとも人間になる薬を飲んで、人間の世界を視察していたって。だから、そろそろボクも、人間の世界を視察してもいい頃だって」 「それで、親父の口車(くちぐるま)に乗せられたってことか?」 「口車?」  ミシェルはわからないようで、首を傾げる。 「親父に騙されて、薬を飲まされたってころだろ?」 「騙されたわけじゃないよ。薬を飲んだらテレンス、どこかに行っちゃったけど……」 「でもお前、あそこにいたら、俺意外のヤツが来たら、やばかっただろ?」  ミシェルは唇を噛みしめる。 「そんなことないもん……」  悔しそうに呟くように言う。 「呪文となえただけで倒れたじゃないか」 「あれは……、調子がわからなかっただけで……」 「ミシェルちゃんは、どうしたいの?」  ミランダが優しく訊ねる。 「元に戻りたい……」  泣きそうな顔でそう言った。 「泣かないでいいのよ」  ミランダはそう言って、ミシェルを膝にのせて抱きしめた。 「ふぇ……」  ポロポロと涙をこぼした。 「大丈夫よ、リアムがなんとかしてくれるわ」 「え……?」  いきなり振られてリアムは思わず立ち上がる。 「あなたのお父様がしたことでしょ? 息子のあなたがなんとかしてあげなさい」  宝石を取ると言っていたのが嘘のように、毅然とした態度で無理難題を言っていた。
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