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「とりあえずオヤツでも食べる?」
困ったようにブレンダは言い、用意していたバスケットを見せると、ミシェルは泣き止んだ。
「食べる」
ぐずってはいるが、しっかりとバスケットの方に手を伸ばしてミシェルは言った。ブレンダはミシェルの手に湿ったお手拭きを渡す。ヒックヒック言いながらミシェルは手を拭いた。
「ピクニックに来てんじゃねーぞ」
それを見ていたリアムがこめかみをピクピクさせて言う。
「今日はいいんじゃない? ピクニックで」
ブレンダはそう言ってバスケットからドーナッツを出してミシェルに渡した。それまで泣き叫んでいたはずのミシェルは、キラキラした目でドーナッツを見つめる。
「食べなさい」
ほっとしたように笑顔を向けてブレンダが言うと、ミシェルは「うん」と嬉しそうにうなずいてドーナッツを食べる。慌てているのか細かいクズをこぼしている。
「お姉ちゃん、私も食べていい?」
ニコニコとおいしそうに食べているミシェルを見て、シェリルも食べたくなった。
「いいわよ」
ブレンダはシェリルにお手拭きを渡す。シェリルが手を拭いている間に、リアムがドーナッツに手を伸ばす。
ブレンダはその手をはたく。
「何?」
リアムは驚いたようにブレンダに言う。
「ちゃんと手を拭きなさい。小さなミシェルちゃんにだってできたのよ」
お行儀の悪いリアムをブレンダがしかる。それを見てミシェルはニヤっとした。
リアムはそのミシェルにイラっとする。シェリルが使い終わったお手拭きをリアムに渡し、リアムはしぶしぶと手を拭いた。
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