11人が本棚に入れています
本棚に追加
「惚れた?」
「誰が」
「花奈ちゃんが」
「誰に」
「おれに!」
「帰れ!」
思わず叫んでしまった花奈。それでもヘラヘラ笑っている咲也を無視して、疑問を口にした。
「なんで知ってるの?」
「なにを?」
「名前」
「誰の?」
「わたしの!!」
このやり取り疲れるなとため息をつくと、咲也はペロッと舌を出して謝る。そして遠慮なく花奈の横に座った。
「知ってるよ。だって、同じクラスじゃん」
「そう、だっけ」
花奈はクラスメイトの顔を思い浮かべるが、その中に彼はいない。
花奈にとっては派手な風貌の咲也を知らないとは思えず、どこの誰だと不審に思いながら顔を覗けば、はぐらかすようにそっぽを向いた。
最初のコメントを投稿しよう!