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「ごめん。同じクラスなのは嘘じゃない。ただ、不登校でさ」
「じゃあ、尚更。なんでわたしのこと、知ってたの?」
それには答えなかった。だから、不登校の理由も聞けなくて疑問だけが残る。
「なにが悲しいの?」
不意に咲也が聞く。
「もしかしてイジメ?」
「ない」
「じゃあ、失恋?」
「違う」
「大切なものを失った?」
咲也は冗談のつもりで言っている。
その証拠に笑っている。楽しそうに笑っていて、花奈の中で抑えていた感情が溢れ出した。
涙となって出てきたそれは止まらない。震える唇から出てきたのは、思った以上に低い声だった。
「人のことからかって、そんなに楽しい?」
「花奈ちゃん?」
「ふざけないでよ!!」
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