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どれくらいの時が経ったのだろうかと、花奈が顔を上げてみればすっかり辺りは暗くなっていた。
街灯に明かりがつき、雪がキラキラと輝いている。
ようやく落ち着いた花奈は、もういなくなったのではないかと思うほど静かにしている咲也を振り返る。
咲也は立ち上がって、桜の木にもたれて泣いていた。驚いて、言おうとしていた言葉を飲み込んでしまった。
「なんで、あなたが泣いてるの?」
「だって花奈ちゃんが泣いてるから」
つられて泣くなんて、なんて純粋な心を持った人なのか。花奈はとても信じられなかった。
「ごめん」
「謝ってばかり」
「違うんだよ。おれ、花奈ちゃんに。ジャックに恩返ししたかったから」
「え?」
そう言って咲也は花奈の手を取って早足で歩き出した。引きずられるように花奈は咲也の後姿を追う。
「ちょっと、なんなの?」
「ごめん」
「謝るだけじゃ、わかんないから!」
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