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…ピピ…ピピ…ピピ…ピピ……ピピピピピピ…… セットした目覚まし時計がけたたましく起床時間を告げている まだ目を開けられず、遥か遠くにいる意識がアラーム音によって、徐々に現実に呼び戻され、状況を把握していく感覚を感じようやく薄眼を開け始める いつもの見馴れた天井にカーテンから漏れた太陽光が反射しているのをボーッと眺めながら、昨日目覚ましをセットした時間を思い出し、今が朝8時である事に気付く 今日は珍しく撮影もないのだが…溜まっている雑務を片付けなければならない日なのだ ここ最近はまともな連休もなく仕事漬けの毎日が当たり前になりつつある コンスタントに仕事を回してもらえる立場になれた事は自信にも繋がってはいるが、まだコレと言った手応えがないまま現状維持と言う守りに入っていたんだ、昨日までは… 今日から俺の新しい挑戦が始まるんだ 残っている残務なんてサッサと終わらせて、早く創り出したくて仕方がない… 午後1時に彼女…ゆりかを俺の自宅へ来るよう既に打ち合わせ済みだ 昨日は彼女の自宅で衝撃的かつドラマの様な出来事が現実に起きた…思い出してもまだ信じられない気分になる あの後、彼女の母親から桐谷吾郎の生前のエピソードを聞いたりして結構長々と居座ってしまったのだが、俺は自分の作品作りの方向性を鮮明なうちにしっかり固めたかった事もあり、昨日遅くまで付き合わせてしまったゆりかには申し訳ないが、早速バイトを入れさせてもらった
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