1. 始末

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坊さんがお茶を用意してくれ朝食?の準備をしてくれるのを想像した。 …いいお茶の葉つかってるんだな。何か教えてもらおう。 瞼を閉じていたので開けて風景をみることを忘れていた。 …あ、 気持ちよすぎて忘れてた。 ビー玉みたいに重い瞼を開きそこからの景色を臨む。 近めなところに庭園がみえた。 …わぁ、ここにも。 …ていうか敷地面積広いなここ。 またチカチカ星みたいに目を閉じて開いてを繰り返す。 恐ろしい眠気だ。 鳥の囀りもよく聞こえてきた。 耳に優しく、眠っていいよという合図みたい。子守唄のよう。 鶯、メジロ、椋鳥…。 ああ、幸せ。…だけどこんなに安住しちゃって逆に恐いな。もっと警戒心旺盛な方がいいかな…? 眠ってしまいたいけど、あまりに大胆不敵すぎるかな…。でも眠い…。 本能のまま、嵐のように眠った。 ーーー 水の音がする。 ぶくぶくと上の歯と下の歯の間隙から、両耳から、 鼻の両穴…ありとあらゆる穴から水泡が上へダンスしながら川か、海か、沼…のなかで。 眼を開けるときらきら光る星の泡。 下には小魚の群れ。 すぐ地面に足がついた。 顔を水面からあげた。 …ここは、川だ。 息をしながら川岸まで背泳ぎした。 木漏れ日が…眩しい。 ーー 「まだこの生娘眠っておられようぞ。 朝も昼もすっぽかして、お茶とつまみだけ召し上がれば 私従前以来までの立腹、立腹、超立腹に至りますゆえ…!!」 「…こら坊主~。惰性的になるのはよしなさい~!!つまみなら俺が頂くから問題無いだろう?」 坊主はつまらぬ横目を流しながら、 「……千幸殿のは、中庭のベンチの猫用の小魚がそれですけど。」 千幸殿という者は、ノリノリのハイテンションMAX状態に一変し、 「やーりぃ!はやく言えよな!?丸ぼーろ?」 ここで私、臨海 湊 は目覚めた。 「...その名で呼ばないで下さいますか?」
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