第1章 訪問者

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義男は横顔でビールを飲んでいる。 「そうか、・・・よかった」 動揺を隠すのが精いっぱいだった。 心は見透かされていた。 テレビに向かい2人は沈黙し続けた。 「結婚式は明日だ、迎えに来る」 「朝、出れば昼の式に間に合う」 義男はビールを飲み干し、立ち上がった。 「じゃ明日、8時な!!」 「いかないよ・・・」 「なぜ?」 「元彼がでる結婚式なんて聞いたこともない」 「俺もない!!」  義男は、僕の動揺を鼻で笑った。 「でもな、お前は行かなくてはならない」 「どうして?」 「それがみゆきの希望だからだ」 「あんな仕打ちをしたお前には、それ位の義務がある」 「恥をかかせたいのか?」 「そんな女だと思うか・・・?」 返す言葉が無かった。 みゆきはそんな女じゃない、それは判っている。 「明日迎えに来る」 義男は足早に出て行った。
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