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義男は横顔でビールを飲んでいる。
「そうか、・・・よかった」
動揺を隠すのが精いっぱいだった。
心は見透かされていた。
テレビに向かい2人は沈黙し続けた。
「結婚式は明日だ、迎えに来る」
「朝、出れば昼の式に間に合う」
義男はビールを飲み干し、立ち上がった。
「じゃ明日、8時な!!」
「いかないよ・・・」
「なぜ?」
「元彼がでる結婚式なんて聞いたこともない」
「俺もない!!」
義男は、僕の動揺を鼻で笑った。
「でもな、お前は行かなくてはならない」
「どうして?」
「それがみゆきの希望だからだ」
「あんな仕打ちをしたお前には、それ位の義務がある」
「恥をかかせたいのか?」
「そんな女だと思うか・・・?」
返す言葉が無かった。
みゆきはそんな女じゃない、それは判っている。
「明日迎えに来る」
義男は足早に出て行った。
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