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第2章 元カノみゆき
義男は幼馴染で親友、そして、別れた恋人、みゆきの兄である。
小学校の頃、母の田舎に引っ越した。
転校先のクラスに義男はいた。
義男は、体が大きく、正義感の強い少年だった。
僕は、よく守ってもらった。
僕らは、親友になった。
義男の家で、彼の2つ下の妹みゆきに出会った。
小柄で可愛い兄思いの妹だった。
それ以来、いつも3人で遊んだ。
高校卒業後、義男は地元で就職した。
僕は東京の大学に進学した。
別れの時、みゆきを強く意識している自分に気づいた。
それは、みゆきも同じだった。
2年遅れでみゆきは、進学上京した。
僕らは、恋愛関係になった。
卒業後、就職を機に、学生のみゆきと同棲を始めた。
漠然とだが、みゆきの卒業を待って結婚するつもりでいた。
仕事は、順調だった。
2年足らずで異例の昇進を遂げた。
職場内は、学歴、美貌、共に兼ね備えた女性が多かった。
僕には、彼女らが眩しかった。
会社主催の外国人クライアントの家族らを一同に招待したパーティが有った。
僕は、みゆきを同伴した。
同僚の女性らは、外国人と笑顔で雑談していた。
それ比べみゆきは、クライアントの子供や年寄と会場の隅にいた。
背が低く、社交性の無いみゆきは明らかに見劣りがした。
僕は、みゆきが色あせて見えた。
それ以来、次第に同僚の女性らと、朝方まで飲み歩くようになり
そして、みゆき以外の女を知った。
そんな僕をみゆきは毎晩夕食を作り、帰りを待っていた。
僕は、みゆきを鬱陶しく思い始めた。
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