第4章 幸せな結婚式

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幾つかの讃美歌合唱が終わり、一同着席する音がした。 オルガンの結婚行進曲を奏でた。 皆、静粛を守っている。 バージンロードのドアが開き、オルガンの演奏が更に大きな音を立てる。 声を控えた歓声と喚起が聞こえる。 今、みゆきが、僕の後ろにいる。 もうすぐ、僕の横をウエディングドレスのみゆきが通る。 曲に合わせ一歩ずつ近づいてくるのが判る。 厳かな儀式の中、女性たちの花嫁への称賛が大きく成って行く。 白いウエディングドレスの裾が目に入った。 今、みゆきが傍にいる。 僕はみゆきを盗み見た。 白いベールに包まれたみゆきがそこにいた。 みゆきは、美しかった。 真っ直ぐ前を見て、ゆっくりと新郎の元へ歩いてゆく。 みゆきが僕から離れてゆく、愛する人を失う恐怖が襲ってきた。 みゆきが他の男のものになってしまう。 体の震えを抑えきれない。 僕は、袖口を強く咬み、動揺を抑えた。 頭の中で音楽が鳴り響き、朦朧とした時間が過ぎる。 僕は周りの不思議な空気にハッとした。 「なんだ」 周りが緊張している。 牧師の声がした。 「今二人は、結婚しようとしています。この結婚に異議のある方は速やかに申し出てください」 牧師は再度唱えた。 「この結婚に反対するものは、速やかに訴え出なさい」 祭壇で、みゆきが知らない男と向かい合っている。
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