45人が本棚に入れています
本棚に追加
マルガリタの焦った様子に、何かあったのか? と強引に腕を引かれて階下に降りていく。
応接室に行くと、ソファに腰掛けた黄金色の髪が見えた。
「クリス!?」
笑顔で振り向いたクリスは、「突然で申し訳ない」と言って立ち上がりカナにキスをした。
先ほど、クリスのことを考えていた奏は頬を染めて、呆然としてしまった。
「君からの挨拶のキスはしてくれないかの?」
“挨拶のキス”と言われて、一瞬、唇にするか? 頬にするか? 迷い、マルガリタが居るかもしれないと思い頬にキスをした。
応接室から既に離れていたマルガリタは、震える手でお茶を用意していた。
「私が用意しましょう、マダム」
「いんや、執事さまに迷惑かけられないです」
マルガリタは、ゆっくり深呼吸するとお茶を丁寧に淹れなおした。
レミジオは、マルガリタの側を離れ応接室へと戻った。
最初のコメントを投稿しよう!