第2話

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応接室では、クリスが奏の手を軽く触れながら館の住み心地などを聴いていた。 マルガリタがお茶と菓子をテーブルに載せ、ゆっくりと紅茶を注ぐ。 肝が据わったらしく、先ほど慌てて部屋に入ってきた時よりも落ち着いていた。 「ありがとう、マルガリタ」 奏が微笑んでマルガリタに礼を言う。 スカートの(すそ)をつまんで挨拶して、マルガリタは退出した。 「一息(ひといき)ついたら、裏の薔薇園で一緒に過ごしたい」 クリスからの誘いに了承して、お茶を飲んだが喉は潤わなかった。 胸の鼓動(こどう)早鐘(はやがね)を打っている。 クリスが(そば)にいるだけで、胸がいっぱいになり苦しくなってくる。
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