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真剣に聴いているのだろう。
――クリスと私が付き合う? 恋人同士になるということ? ――
頭の中で、レミジオの話を反芻して整理しようとしたが、心のほうは追い付いていない。
クリスに対して、たしかに長年想っていて、愛おしく想っていた。
ただ、これがなんという“感情”なのかが良く分からないままなのだ。
「クリス……クリストファー様のことは、とても大切です……でも……」
「そのご様子ですと、ご自身のことをまだ認識なさっていないようですね」
盛大な溜息を、レミジオがついた。
「今日のところは宜しいでしょう……もう少し、ご自身のことをお考えになってから、クリス様と接してください」
「……はい……」
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