第3話

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真剣に聴いているのだろう。 ――クリスと私が付き合う? 恋人同士になるということ? ―― 頭の中で、レミジオの話を反芻(はんすう)して整理しようとしたが、心のほうは追い付いていない。 クリスに対して、たしかに長年想っていて、愛おしく想っていた。 ただ、これがなんという“感情”なのかが良く分からないままなのだ。 「クリス……クリストファー様のことは、とても大切です……でも……」 「そのご様子ですと、ご自身のことをまだ認識なさっていないようですね」 盛大な溜息を、レミジオがついた。 「今日のところは宜しいでしょう……もう少し、ご自身のことをお考えになってから、クリス様と接してください」 「……はい……」
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