千頁の魔法の書

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龍が唸る。 「ダイエットだとか言って飯を減らさなければ帰ってやるわ!」 「だってドラ、どんどん太ってくじゃないか!」 理由が下らなくて本乃は呆れるが、また魔法の書を開く。 「その龍の胃袋を小さくするよ!」 また、龍に向けて開いた頁を向ける。 「ついでに怒りを抑えるよ!」 と本乃は叫んでいるが雪田とドラは全く気づかず痴話喧嘩をしている。 だが、魔法は効いたのかドラが「すまん」と雪田に謝ってきた。 ドラは砂浜に降り本乃に頭を下げる。 雪田は愛しそうにドラの鼻を撫でている。 「本乃さん、わしらの喧嘩のためにありがとうございます」 ドラが謝る。 「いやぁ。いいよ。僕もアジアの龍なんてはじめて見たからさ。それに浅果さんから今回の報酬でアオモリとナガノのりんご食べ比べセットを送ってもらうし」
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