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「そうなの? 千尋、今、中学生を二人見てるよね」
「うん。今度は小学6年生なんだって」
「体に負担にならないなら良いけど、無理しないでよ」
「分かってるよぉ」
紀伊ちゃんは心配性だ。
私、教えるのは得意だし、もう一人ぐらい増えても大丈夫だと思う。
「ならいいけど。千尋は直ぐに無理するから」
「しないよ。それにね、少しお金も欲しいから一人増えるのは助かるの」
再来月はお母さんの誕生日だから贈り物したいんだよね。
「何か欲しいものでもあるの?」
そう言ってエビフライにかじりついた紀伊ちゃん。
「ううん。再来月お母さんの誕生日だから」
首を左右に振ってからそう答える。
「あ、そっか、おばさんの誕生日ね。足りないなら私もカンパするわよ」
「いいよ、そんなの」
紀伊ちゃんは、化粧品や洋服を買ったりする為に働いてるのに、申し訳ない。
「おばさんが送ってくれる野菜とか缶詰とか、凄く助かってるもの、そのお礼ぐらいしなきゃ」
「そんなの良いってば。紀伊ちゃん家のおじさんだって色々送ってきてくれてるじゃん」
私の家も紀伊ちゃんも家も、生活の足しにと何かしら送ってきてくれる。
お互い様なんだからね。
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