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自分が同性愛者だと気が付いたのは中学2年のときだ。部活の先輩にいつからか触れたい、キスしたい、自分だけを見て欲しい。そんな感情を抱いた。けど見て見ぬふりをしていた。
だけどある日見てしまった。今でも鮮明に覚えてる。
「ミナちゃん、好きだ!よかったら俺と付き合って!」
「え、ごめんなさい。私と先輩ってほとんど話したこと無いですよね。なのになんで…?」
「和泉とよく一緒にいるのを見て、気が付いたら目で追うようになってた。友達からでもいい。だから」
「無理です。」
「………えっなんで!」
「私は先輩のこと全然知らないし、好きじゃないです。それに…この間見ちゃったんです。先輩、二股してますよね。あ、私が告白オーケーしたら三股か。」
「な、何言ってんの?俺はミナちゃん一筋だよ。」
「真実かどうかはどうでもいいんです。私は先輩を信用出来ないのでお付き合いは出来ません。ごめんなさい。」
ショックだった。
先輩が二股してるかもしれないなんて事はどうでもいい。いや、それもショックだけど。それよりも告白されてた相手の女が自分の妹だということの方がショックだった。
妹といっても双子だから同い年で、世にも珍しい男女の双子。しかも一卵性双生児で女のくせに背が高い妹の湊とはよく間違えられた。さすがに中学からは制服が違うから間違えられる事は無くなったけど、それでも顔は同じだし湊はショートヘアだったから私服だと見分けがつかないとよく言われた。
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