第6章

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 徐々に空の色が変わり始める頃、もう一度露天風呂に入った。綺麗な海を眺め、鳥の囀りを聞きながら優雅に……、なんて事にはならず、広めの浴槽なのに、俺は微動だにせず一点を見つめていた。 「もしかして……緊張してます?」  向かい側から声を掛けられる。 「は? そんな訳ねえし……」  そんな事を言いつつも、顔を上げられなかった。強がりだとバレバレだ。 「だったらそんなに離れる事ないのに。……さっきまで、口にするのも憚るような、いかがわしい事してたじゃないですか」 「……っ!」  瀬名の言葉に、数時間前の光景が生々しく脳裏に蘇る。  もう無理だと半泣きで縋る俺を、瀬名は簡単には解放しなかった。既に瀬名の体液でいっぱいに満たされた中を、掻き出すように何度も突かれた。体を揺すられると、ぐちゃぐちゃと淫らな水音が立った。剥き出しの尻に瀬名の恥骨が触れる度、自分が今何をされているのかを思い知らされているようだった。途中から、自分が何を言ってるのかわからなくなって、求められるままに卑猥な言葉を口走った気がする。結局、気絶するように眠りに落ちるまで攻め続けられた。  朝方目を覚まして、一番最初に目にしたのは、瀬名のどアップだった。驚いて硬直している俺に、既に起きていた瀬名は「お風呂に入りましょう」と言ってきた。
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