二月三日

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 私がなぜ極寒の中で待ち続けているのかというと、そもそも二、三時間待つことは想定の範囲内だからだ。  以前の私がそうだったから。  書店の中を覗いて時計を見ると、その針は七時前を指していた。  二月三日が、四日になるまで、あと五時間。  私は鞄の中に入れた文庫本を取り出し、しおりを挟んだページを開いた。  意地でも待ってやるんだ。  六年ぶりのチャンスなんだから。  強気で本を読むが内容が頭に入ってこず、ただ行を眺めているだけになってしまう。  ページを捲ろうとすると、寒さに震える手が思うように動かない。  それでも、何もしないよりは気がまぎれるだろう。
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