![861b7d47-8284-4320-865d-6e384cd14f22](https://img.estar.jp/public/user_upload/861b7d47-8284-4320-865d-6e384cd14f22.png?width=800&format=jpg)
その夜、二人は身も心も結ばれた。ルーカスに腕枕をしてもらいながら、アマンダは事情を話す。
「明日中に魔女のグロリアに
約束の物を渡せば、私は歩けるようになります」
「歩けるようになるの? 素晴らしい! ならぜひとも渡しなよ」
「だけど
約束の物を渡さなければ、体が溶けて海の泡になってしまうんです」
「それは大変だ。うん、ぜひとも渡しなよ。渡さない理由なんてあるの?」
「二つ渡さなければならなくて、私は一つ持ってますが、あともう一つは王子さましか持ってないんです」
「うん、あげるよ。僕が持ってる物ならなんでもあげる。君のためなら何を失っても惜しくはないよ。言ってごらん。それはいったい何?」
アマンダは耳打ちでそれが何かを打ち明ける。
「おお、神よ……!」
ルーカスは、額に手を当て瞼を閉じた。
「それを渡してしまったら僕たちは……。僕たちは、もう…………。だけど、君のためだ。渡すよ。明日、二人でグロリアに渡しに行こう」
アマンダは涙を流して感謝し、ルーカスは優しく髪を撫でて彼女をなだめた。でも本当はルーカスだって泣きたかったのだ。彼女の命を救う代償とは言え、あまりにそれは残酷だった。
「さあ、眠ろう。明日に備えて。愛してるよ、アマンダ」
「私も愛してる、ルーカス」
泣いても笑っても、期限は
明日。
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