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7
A署まで出向くと、自首してきた男と対面した。その男は、日本人ではなかった。
国籍を聞くと、フィリピンだという。金で雇われた事はよく、理解出来た。
この男性曰く、この数日間身の危険にさらされそうで怖かったらしい。だから自首を決した。
交通課の警部補の話によると、彼はやはり雇われたという事だ。雇った人物は、中島仁。
「ほう、君はいくらで雇われた?」
畳みかけるように、馬場警部補が尋ねた。この男は、出稼ぎの為、戸田の倉庫で働いていた。
実際、この戸田の倉庫近くは外国人労働者が多かった。
「百万です……」
身を竦めながら、その男は自供した。聞くところによると彼は、30歳。俺と同じ年らしい。国に奥さんと子供がいるそうだ。
百万という金額は、フィリピンでは大金だ。
「そうか。君は、公務執行妨害でまず逮捕されるわけだが」
俺が切り出すと、覚悟をしたようにその男は、肩を落とした。
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