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早速、大宮のスナックまで向かった。場所はJR京浜東北線の、さいたま新都心駅と、大宮駅の間にあったスナックだった。
スナックの経営者は、五十代の女性。スナックの二階が住まいだった。まだ眠っていたらしく、ノーメイクのまま部屋の中から出て来た。
「そんな子知らないわ」
顰め面しながら、彼女は言う。さては偽名を使ったか。
「この人なんですけどね」
俺は、河合優佳の写真を見せると、女性経営者は「あぁ」と頷いた。
「真理ちゃんの事? 本名は河合優佳っていうんだ。知らなかったわ」
驚きを隠せないようだった。彼女は、南浦和に住んでいるとの事だ。また引き返し、南浦和まで向かう羽目になった。
都会の風景が続いた後、住宅街に街並みはなっていく。南浦和にあるその住所をたどった。
そこは、デザイナーズマンションだった。
一流建築士がデザインした、白い瀟洒な建物。二階建てのマンションだが、しっかり庭もある。
一階が、ファミリー向け、二階は、ワンルームタイプのようだ。
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