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厳重なオートロックマンション。早速、管理会社に電話をし、開けてもらう事になった。
門をあけてもらうと、まるで小さな城の庭のような緑色の芝生が視界に入った。真ん中には小さな木。
結構なご身分じゃないか。
両側に棟が立ち並んでいた。目的の部屋まで行き、インターホンを鳴らすが、勿論、応答はなかった。
少しガッカリしたが大量のハエが、玄関のドアの下の隙間を行き来する。
「おい、匂わないか?」
馬場警部補が鼻をゆがめた。
そういえば、そんな気がする。
「すみません、開けてもらっていいですか?」
俺が促すと、管理会社の責任者はしぶしぶ、ドアを開けた。
「あっ!」
俺と馬場警部補は目を丸くした。そこには若い女性の遺体が玄関の前で
横になっていた。
おそらく河合優佳だろう。
青ざめる管理者に俺は告げた。
「すぐ百十番して下さい」
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