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まもなくして埼玉県警がやってきた。
「ほう、交通機動隊がやって来るとは何事だろう? と思ったら、そういう経緯でしたか」
説明した刑事の目が丸くなる。
五十代の警部補だった。
「えぇ、まぁ……」
やはり、被害者は河合優佳で間違いないようだ。薮塚警部の所へも、今、警官が聴取に行っているだろう。
「ホシは中島仁って男の可能性が高い訳ですね」
「おそらくは」
今原を襲うように、人を雇うくらいだ。おそらく中島仁は、ルーコートの一階に住む、五十五歳の女性を殺害している。
優佳とは男女のもつれになったと、考えてもいいかもしれない。
県警の鑑識が、このマンションの中を捜索を始めた。ここから見るとデザイナーズマンションは外観だけ瀟洒で、中は至って普通だ。
ワンルームに、ロフトがついているタイプの部屋だった。
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