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 都会のワンルームにありがちな構図だった。  引っ越してきたばかりだったのか、部屋の中はほとんど、物が置かれていない。ベッドがあり座卓があり、その程度だ。  これが俺が見た感じの第一印象だ。  俺は管轄外だから中へは、入れない。    鑑識が刑事に何かをもってきた。よく見ると現金だった。百万円はあるだろう。  中島仁はここに、優佳を暮らさせる事にしたのだろう。本当の愛人だ。  優佳にとって、薮塚警部と付き合うのはメリットがないと思い、離れたのだろう。  ベッドの下から、色んな店のポイントカードが出てきたらしい。鑑識がまた刑事にそれを見せた。  赤羽のパン屋のポイントカードから、美容院のカード、スーパーのクーポン券など。ポイントを貯めるあたりは、生活感が出ている。
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