交番ガールの章 夜のレインボウ

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 池村君も仕事が忙しいし、せっかくの奈美さんとの二人きりの時間だから遠慮した。 「まぁ、そう言わずに、一緒に食おう」  池村君が言うと、奈美さんも側でうんうん。と頷いていた。  お言葉に甘えて、ご一緒させてもらった。向かった先は、ファミレス。 私はBLTサンドとドリンクバーを注文した。二人とも、ハンバーグのセットを選んだ。 「あ、サンドイッチといえば、主任から聞いたか?」 「え? 何?」  私はきょとんと、首を傾げた。ここ二日程、シフトがお互いまばらで、顔を見ていなかった。明日の朝、久しぶりに顔を合わせる事になるだろう。 「今原と澪さん、やっとくっついたよ」 「えぇっ」  私が声を上げると、奈美さんも「うそぉ」と驚いた声を出した。どうやら聞いてなかったらしい。 「えー、何で教えてくれなかったのよ」と奈美さんは、口を尖らす。それは私も同感だった。そんな素敵な話、早く聞きたかった。
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