交番ガールの章 夜のレインボウ

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「へぇ! そうなんだ?」  私は目の前に置かれたBLTサンドをかじりながら、少し驚いた。  後のフロアは中小企業のオフィスが入るそうだ。一番上だけ、住処のフロア。  そういう情報を私は、全く知らない。奈美さんは、主婦になってこの地域の人と色々交流しているうちに、そういう情報が耳に入るのだろう。 「そう。ほら、うちの建物の前にあるアパートの人から聞きました」 「そっかそっか」  私は自分が警察官ながら、自分の住まいの地域の情報はあまり知らなった。    自分の担当の地域の事はよく知っているけれど。 「池村君は知ってた?」  池村君はここから、分駐所が近いから知ってるかな? なんて思った。といっても、交通機動隊だからまた違うか。 「いや、知らなかった」  それなら、うちの旦那も知らないだろうな。
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