交番ガールの章 夜のレインボウ

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 ジッと灯りを見ていると灯りが虹色に変わった。  少し驚きを覚えた。こんな光に変えられるものも、あるのだと。神秘的に見えて素敵だった。  そんな時、人影がそっと見えた。  女の人のシルエットだった。長い髪。細い腰のシルエット。  顔までは見えない。人影だけ。  多分、若い女性だろう。若いうちからあんな所に住めるなんて、少し羨ましかった。  翌日は休日。何の変りもない朝だった。  トーストと目玉焼き、コーヒーという普通の朝食を摂りながら、ふと真向いのビルを見上げた。  一番上の右端だけにカーテンが閉められていた。  どんな女性なのかな。  そんな事を思いながら視線をテレビに転じ、スイッチを点けた。  ワイドショーだった。数々の芸能人の不倫騒動や、芸能人が何かやらかした騒動で賑わっていた。 (この国は平和かもしれない)
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