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一瞬ドキリ。とした。けれども彼女は何の陰りもなく、私に頭を下げた。
思わず私も頭を下げた。
彼女は静かな美しさに、柔和な笑みを浮かべていた。それがまた、美しさを際立たせた。
(綺麗な人だなぁ)
再び私は見とれてしまった。
こんな若いうちから、ビルの上のフロアのマンションに住めるなんて一体どんな人なんだろう。考える事は結局、そこになってしまう。
卑しいかもしれないけれど。
青になり歩みを進めたが、やはり私たちは距離を取って歩いた。そのまま例の彼女は、新しいオフィスビルへ歩みを進めて行く。
やっぱりあの最上階フロアに住んでいる女性で、間違いなさそうだ。
(主婦なんだろうなぁ)
平日のこんな時間に買い物をして、家の中へ入っていく姿を見て私はそう思った。
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