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怪訝な顔をしている私に夫は気づき「どうした?」と尋ねて来た。
「ん、でもあれ、あの彼女かしら……。彼女もっと細かった気がするけど」
けれども、髪型は彼女のあのシルエットだった。
「え?」
旦那は目を細め、ジッと見たり眉を潜めたりして、見ている。
「言われてみればそうかもな。あぁ、太ったじゃないのか?」
デリカシーのない事を、サラリという夫。そうかもしれないけど、けれど何か違う気がする。
「そうかな。あれ、違う誰かじゃない?」
「ふーん。じゃぁ、あの女性の友達とかじゃね?」
また何も考えずに彼はサラッという。それはあるかもね。
「うん……」
でもどこか違和感を感じた。そんな時、ライトが虹色に変わった。素敵な色のライトに。
「悠子。お前もう、寝た方がいいんじゃないか? 目の下、クマが出来てるぞ」
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