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スーパーの帰りに振り返った時の事を、彼女は覚えていたのだろう。このお腹だもの。覚えてるよね。
「あの時の……」
私は警察手帳を見せると、美幸さんの顔は泣き顔ながらも、驚きの顔になった。
「警察の方……。だったんですか?」
「えぇ、詳しく事情をお聞かせくださいませんか?」
承諾を得たので私はワゴンの警察車両の中で、美幸さんから話を聞く事にした。
話によると、昨日は夜二十一時半にご主人は帰ってきて、家の中で食事をした事を話してくれた。
「あの、貴女、いつも夜景を眺めてますよね? ベランダで」
「えっ」
彼女の目が丸くなる。それは無理もないか。
「ごめんなさいね。私、そこの警察官舎に住んでいるから、いつも見えてて……。虹色の光がいつも素敵だったから」
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