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「えぇ、あぁ、そうでしたか」
彼女は納得しながら、小さく頷いた。少し怪訝そうな顔に見えてしまった。警察官の癖に、ストーカーに見えただろうか。
「ごめんなさいね。あの、のぞきとかそういうんじゃないのよ。ただ、綺麗で、羨ましいなって」
「あ、いえ」
涙顔ながらも少し微笑し、短く頷いた。
「昨日も貴女は、窓辺で景色を見ていましたよね?」
「えぇ、そうです」
彼女は短く認めてから、少し視線を外した。
私はそんな中、彼女の体に視線を転じた。ほっそりした痩躯。本当に羨ましい位だ。
そんな彼女に違和感を感じた私。
昨日、窓辺にいた人は別人だろうか。
「ご主人が殺された時、貴女はどうしていたの?」
「すぐそこのコンビニに買い物に行っていました」
彼女は静かに告げた。
この近くには二件コンビニがあった。カメラに写っているか、既に他の警官が確認しているだろう。
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