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「ん。私、奥さんがどんな人なのかは、わかりません。でも、あの陰から見るとストレートのセミロングかな。って思いましたけど。すごく細くて羨ましくて」
佑里亜さんは、詳細を語り始めた。私もこの前チラッと見ただけだ。あのシルエットは美しすぎて、羨ましかったのは彼女も同様のようだ。
「でも、あの、テレビで殺害された工藤さんって人が、彼女のご主人ですよね?」
彼女は探るように掃除をしながら、私に確かめるように尋ねた。
彼女だって警察官の奥さんだから、あまり首を突っ込んではいけない事を知っているからだろう。
「うん」
でも私は首肯してそれを認めてしまった。
「私がその、工藤さんって人を見たのは、この近くのコンビニの近くの……。イタリアン料理のレストランです。ショートカットの女の人と一緒でした」
「えっ……」
私は心臓が跳ねた。ショートカット。まだ他にあの被害者は女の人がいたのか。その事に私は落胆した。
美幸さんは、どれだけ傷ついただろう。
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