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「全くどうなってるんかね」
東西署に出向いた私に、東西署の刑事課の湯浅さんは苛立った声を出した。
五十代の貫禄がある警部だった。体重は百キロはありそうな巨漢。しかし背も高い。
奥さんは、元モデルだそうだ。一体どんな夫婦なのだろう。
「で、お前さんは、ホトケの美幸さんとは知り合いだった訳だな?」
確かめるように、湯浅刑事は尋ねて来た。迫力があり少し怖かった。
「いえ、あの……。面識があったといってもですね、一度だけで。警察官舎の窓から、彼女が住んでいる住まいが見えただけで」
私は慌てて否定するように説明した。実際は、友達でもなんでもないのだから。
「ふん、工藤って男はろくでもねぇ男みてぇだな」
苛立った声を出す湯浅さん。部下の刑事が気を使い、湯浅さんの前に温かいお茶を置いた。
ご丁寧に私の前にも置いてくれた。
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