白バイ隊員の章 安西隊員の章 終わった筈の片思い

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白バイ隊員の章 安西隊員の章 終わった筈の片思い

序説  新宿の摩天楼の、ホテルのバスルームからは、都内の夜景が一望出来た。  お風呂も大理石のような石。  ここには夢のような空間が広がっている。  湯船に入りながら、バスルームの窓から都内の夜景を見下ろした。 (綺麗だな……)  思わずため息が漏れた。  赤や白、薄い紫の光が濃紺色の中で輝いていて、全てが宝石に見える。  増原唯香、三十歳。職業はフリーターだった。  そんな私がこんな夢のようなホテルの部屋に泊まれるのも、全て彼のお陰だ。  ホテルの名は、セサ・ウッド東京。ビルのような外観の一流ホテル。今まで泊まった事がないホテルだった。  私はお風呂から上がり、体を拭くとドライヤーで軽く頭を乾かした。ツインルームのベッドルームへ向かう。  彼は寝転んで、ワインを飲みながらテレビを見ていた。
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