白バイ隊員の章 安西隊員の章 終わった筈の片思い

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 高校を卒業してから私は、短大に入って就職した会社をすぐに辞めてしまった。  それからフリーター生活になってしまった。  そんな時、今井さんに出会った。けれども安西君と再会してから、色んなものが霞んでみえた。  心の中でデコレーションされた安西君は、私にとっては王子様だった。相変わらず背が高く痩躯。  ある日、白バイに乗っている安西君を見かけた。ただでさえ、白バイ隊員は格好良く見えるのに、安西君はそれに上乗せされ、もっと格好良く見えた。  また私の片思いが復帰してしまった。困ったものだ。  でもそんなの無駄だと分かっている。  だって、安西君は結婚しているのだもの。  まさか警察官になったとは、驚きだったけれど、それもそれでまた良し。恰好良すぎる。  私には手が届かない相手なのに。
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