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私は冷蔵庫の中からオレンジジュースを取り出し、飲んだ。
どうして私はこの人を諦める事が出来ないのだろう。叶わない片思いは私を意気消沈させた。
アラサーにもなって、私は何をやっているのだろう。
ため息を落とした時、今井さんは既に夢の中。
熟睡する寝息が聞こえて来た。
今井さんの事は嫌いじゃない。
ただ、安西君と再会した事で、私の心は変になってしまった。手に入りにくい相手だから、余計に安西君が恋しく思うのだろうか。
私にとって全てがグレー色に見える。安西君がお弁当を買いに来た時だけ、胸がときめく。
私はその夜、一流ホテルに泊まった。安西君の事を密かに胸の中に住ませておきながら。心の中で罪を犯した。
翌々日。
お弁当屋さんに、出勤。朝の10時からの出勤だ。昼に向けてお店が忙しくなる時間帯だ。
職場のキッチンで動き回っている時間はせわしく、余計な事を考えずに済んだ。
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