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「陣痛、痛いんだろうなぁ」  悠子はポツリ呟いた。少し不安げだ。 「大丈夫だよ。あのきつい警察学校で耐えられたなら、何でも耐えられるさ」 「え……。そういう問題?」  悠子は苦笑いしつつ、俺を見てからまた、パスタを口に入れた。  確かに例えるべき事ではないだろうが、でもよく聞く話だ。あの警察学校時代を耐えられたら、大抵はどんな事も耐えられると。  俺もその時は、そばに居てやれたらいいがどうだろう。警察という職業上、難しいかもしれない。妻の出産後、かれこれ数日休みを取る事は、可能ではあるが。  パスタが食べ終わると、アフタードリンクが運ばれて来た。俺はアイスコーヒー。悠子はクリームソーダ。  クリームソーダと言うところが、また女子らしい。
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