7/8
前へ
/693ページ
次へ
 二年と三年と確か、同じクラスだったと思う。  あぁ、そういえば彼女は勉強は滅茶苦茶出来るという訳ではなかったが、真面目なタイプだった。  だからよく、ノートを貸してもらったっけ。  宿題を写させてくれと言ったら、快く写させてくれたな。  俺は何となく、女の子なら真面目にやってるだろうから、女の子に貸してという事が多かった。  今思えば、ずる賢い。男はやっていない奴が多かったから。 「お待たせいたしました」  回想モードに浸っていると、そんな声が聞こえ俺は、ハッとした。  ビニール袋の中に三つ入った弁当を手渡してくれた。 「おう、ありがとう」 「ありがとうございました」  彼女は行儀よく頭を下げると、悠子も行儀よく頭を下げた。
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!

902人が本棚に入れています
本棚に追加