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「逆に、不良は優等生に憧れるだろ? ほら、お前ンとこの夫婦なんか」
馬場警部補がまたグサリと、来るような事を発した。
「確かに……。俺ンとこは不良と優等生夫婦ですが」
しかし、図星なだけに反論できない自分が羨ましい。優等生で頭の良い悠子が何故、俺を好いてくれたかは、分からない。
俺は悠子の優等生らしいところに惚れたんだっけ。違う気がする。
「まぁ、確かに。それはともかく。その弁当屋の女性がどんな人かは知らないけど。俺は行った事がないんだな」
馬場警部補は、窓の外を見た。
確かに馬場警部補は、ここで留守番が多いので、奥さんが作った弁当を持参するか、近くの弁当屋の宅配弁当が多い。
「どんな女性なんだ?」
馬場警部補は、ホッチキスで書類を停めている今原に尋ねた。
「ええと、どんな女性でしたっけ?」
彼は空虚を向く。
彼もそこの中華弁当屋の利用率は高い方だが、いちいち覚えていないようだ。普通はそうだろう。俺も赤の他人ならば、覚えていないかもしれない。
「ま、とにかく。もしかしたら相手の男の元奥さんとか、元彼女が彼女を誘拐したりしてな」
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