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そういえば、あの杉野という男はバツイチだと、刑事課の署員に話していたっけ。
確かに金のある実業家が、あの年まで独身て事は無理はある。金はある分、いつになっても結婚相手には困らないのだろう。
「まぁ、後は刑事課に任せておくしかないんじゃないですかね」
「お前、同級生なのに冷たいなぁ」
馬場警部補は眉を顰める。そう言われれば、そうだが……。交通機動隊が出来る事と言えば、刑事課に要請されてから、警らに出て怪しげなドライバーや、一般道路で職質をする位しかできない。
俺は、言葉が見つからず、黙りこんだ。
「同級生って事もあり、お前も刑事課からそのうち色々聞かれると思うが」
そう馬場警部補が発した所で、やはり刑事課がいらっしゃったようだ。
「安西さんすみませんねぇ」
この前、悠子も関わったという、湯浅警部が俺に頭を下げる。
後ろにいる巡査部長が、少しひょろひょろした頼りなさそうな奴に見えた。
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